建物を構成する3要素/資産にならない住宅

ビルメンの勉強
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おはようございます!ビルメン会社員の牧健太郎です。

建物は大きく分けて3要素で構成されています。

①構造(躯体)…人間に例えると、骨格です。

②設備(機能)…人間に例えると血管や内臓です、

③意匠(外観)…人間に例えると容姿です。

不動産においては土地がなによりも重視されています。

しかし土地と同じ程度に建物は重要なのです。

建物のチェックがされるとしても優先順位として

意匠、設備、構造という順でした。

建物のチェックで意匠や設備が重視されているのには理由があります。

不動産(特に住宅)を所有するということはマイカーと同じように社会におけるステータス性があると言われており買い手も意匠や設備に注目してしまいがちだからです。(設備といっても血管にあたる、配管や電線ではなく表面に見えているのもを指します。)

家を所有するということは人に自慢できる象徴であり、見た目や機能を重視したものが多いのです。

ゆえに保守性(メンテナンス性)を考えて作られている建物は少ないように感じます。(血管(隠れた設備)のことも考えられていない。)

日本の住宅寿命は欧米先進国に比べ短いと言われています。

フランスは85年、ドイツは79年、アメリカは103年、イギリスは141年の耐用年数があるそうです。まさに一生モノですね。

それに比べ日本の耐用年数は30年と言われています。とても一生モノとは言えない年数ですね。

金融機関が住宅の価値を査定するときに用いられる法定耐用年数で構造種類別ですと…

軽量鉄骨造(LGS造)19年

木造(W造)22年

鉄骨造(S造)34年

鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋コンクリート造(RC・SRC造)47年

日本では耐用年数を過ぎれば経済的不動産価値はなくなります。

つまり0円です。解体費用が必要だと逆にお金を支払はなければならないかもしれません。

住宅の場合ですとマイホームを手にする多くの人が35年間のフルローンで購入されると思います。

しかしローン完済する頃には建物の価値はゼロになってしまうのです。

赤字ですよね。

住宅の耐用年数については2つの側面で見る必要があります。

物理的耐用年数と社会的・経済的耐用年数です。

金銭的資産として考えるならこれでは負動産です。

そもそも設計段階から建物を手入れして何世代も長く使用していくという考えはないということが多いように思います。

ゆえに日本の住宅は耐久消費財と言われています。

よく賃貸派と購入派でどっちが良いのか争われますがこの点だけを見てリスクを判断すると

購入する方が不利に感じてしまうように思います。

居場所の固定化されやすくなってしまいますし。

しかし例えば賃貸用のマンションと分譲用のマンションで比較すると

一般的に圧倒的に分譲マンションの方が建物の質、設備のグレードが良いです。(質の高い賃貸もあります。割高ですが分譲マンションの賃貸貸しもありますし)

住む人の層もある程度住み分けされているので環境にも影響するということも耳にします。(賃料、物件価格により一概には言えませんね)

また、改造する自由度で言えば購入するほうが圧倒的に自由度が高いです。

しかし、住宅を頻繁に改造(レイアウト変更等)することはなく、あるいは全く改造することがないと言う人も多いのでそれはメリットではないと思う人もいるかもしれません。

結論として大切なのは自分がなにを重要視するかです。

リスクで考えるにしても例えば

大規模な災害が起きたとき賃貸の方ですとその住まいにこだわる必要がなく、経年劣化に対することも同じなんですが建物の補修等考える必要もないので気軽に居れます。そのリスクは他人にとってもらうことができるのです。

購入の場合、住宅ローン契約(金銭消費貸借契約)時、団信保険(ローン支払い者が死亡・定められている重障害を患った場合支払いが免除されるという保険)に加入するケースがほとんどなので家賃感覚で払いながら万が一のとき、残された家族に住む場所の負担を減らせるリスク回避ができます。

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